今年一番の登山、北海道の暑寒別岳

|

今年一年間をふり返って、もっとも思い出に残る登山は?
上級者のみに歩くことが許されている北アルプスの西穂から奥穂にかけてを、晩秋、テントとシュラフを担いで縦走したこと?
それとも、南アルプスの荒川小屋から赤石岳、聖岳と3000m峰を2つも越えてその日のうちに易老渡まで歩き通したこと?
いえいえ。
内地の人がその名前も聞いたことのない、北海道増毛にある暑寒別岳に登ったことです。
暑寒別岳は、中腹に広がる雨竜沼湿原が高名ですが、湿原の奥にそびえる山頂まで歩いた人は少ないようです。
写真は雨竜沼湿原から見た暑寒別岳(右奥)。
初夏の雨竜沼湿原と暑寒別岳

山登りの好きな人には「心の山がある」というのは、日本百名山の著者の深田久弥さんの言葉です。
何度も山頂を目指しながら容易に頂を踏むことが出来ず、幾度目かでようやく山頂に立つことが出来た山などがこれに当てはまります。

交通が便利になり、アプローチの難しい山がほとんど無くなっているので、大抵の山は登り始めれば山頂に立てるのですが、わたしにとっての暑寒別岳だけは登山道が長く容易に頂の踏めない山でした。

暑寒別岳の登山口は雨竜町にあります。
その雨竜沼ゲートパークから暑寒別岳までは、登山ガイドの本(北海道夏山ガイド6)によると登りが6時間10分、下りが4時間40分、計10時間50分かかると書いてあります。
この本を頼りに北海道の山を歩いていた2006年から2007年にかけては、まだまだ登山の初心者で、脚力も十分ではなく、歩く速度はほぼこのガイドブックに書かれている所要時間の通りでした。

しかし、今年は北アルプス、中央アルプス、南アルプスを含め日本各地を歩き、脚力に十分な自信が出来ました。
秋、フェリー料金が割安になるので、車と一緒に北海道に渡りました。
暑寒別岳は知床半島の付け根の斜里岳に登った翌日に登りました。

雨竜沼ゲートパークに宿泊をして、翌日早朝に出発。
管理棟でヒグマの出没が多いと言う情報を得たので、多少用心をして熊鈴の音が大きくなるように工夫をして歩きました。

要した時間は登りが4時間半。
下りが4時間5分でした。
休憩は登り下りともなし。山頂で13分の休憩を取っただけでした。
11時間近くかかる予定でいましたが、よほどに脚力が付いていた見たいです。2時間の短縮となりました。

途中、ヒグマには会わなかったものの、早朝につけられたと思われる足跡を見つけ、周囲を見回してヒグマがいないかとひやりとすることもありました。
糞や掘り返しは10箇所以上あり、ヒグマが登山道をまたいで住処としていることが分かりました。
これほどヒグマの痕跡が多いと、登山者との不測の事故も起こる可能性があるのではないかと心配になりました。

暑寒別岳の動画

暑寒別岳登山の途中で撮した写真を動画にまとめてみました。

追記

この記事はうろぐからこちらに移転しました。

カテゴリ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1

このブログ記事について

このページは、mizunumaが2011年2月 7日 13:30に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「らでぃっしゅぼーやの高菜のラーメン」です。

次のブログ記事は「NHKハイビジョン特集「日本の名峰 北アルプス」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。