ペンタックス K-x 山岳写真レビュー|皇海山を撮る(日本百名山)

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AMNのK-xブロガーミーティングでモニターとして貸与を受けたペンタックスの新型のデジタル一眼レフカメラ(以下デジイチ)、K-xをわたしの撮影フィールドである山へ持ち出して現場で撮影をしてきました。
ブロガーミーティングでは気が付かなかった特徴、長所や短所が幾つか分かりました。
現場での撮影後の感想を一言で言えば、「価格帯の割に驚くほど性能の良いカメラ」です。
写真は皇海山の山頂でK-xを持っているわたしです。
IMGP8935
 

以下、皇海山の登山の途中で撮影をした写真レビューです。
※:皇海山の登山のレポートは皇海山往復登山記|銀山平-庚申山-鋸山-皇海山としてまとめてあります。掲載している写真は3:4の数点の写真を除いてすべてK-xで撮影しました。

PENTAX K-x山岳写真レビュー

正直に言うと、どこまでアウトドアフィールドで使えるか不安がありました。
普段は中級機種と言われるキヤノン40Dを使用しているからです。
細かな設定や機能などは40Dに比べて行えないものが幾つか有ります。
しかし、実際に撮影をしてみると「レンズの性能がカメラに追いついていないかな?」というシーンはありましたが、カメラの性能はわたしを十分に満足させてくれるものでした。

PENTAX K-xの売りの一つがISO6400という高感度ですので、この高感度をどの様に山岳写真を撮る際に活かしてレビューをしようか考えたのですが、AV設定で深度を深くとる事で、ISOを大きな値に自動的になるようにする事で、高感度を活かした写真を撮ることが出来ました。
キヤノン 40D(ISO1600)では絶対に不可能な深度での撮影した写真も、日が暮れた山峡の登山道で撮影をした写真でも驚くほど綺麗に撮れました。屋内では体験済みですが、改めてISO6400という高感度のカメラの威力を屋外で認識しました。

皇海山登山の天候はめまぐるしく変わり、写真の撮影のモニターのためのような天候でした。
登山開始は厚い雲に覆われて薄暗く、山頂付近では晴天、下山途中で日没を迎えました。つまり、薄暗い曇天の森林の中の撮影、明るい日射しの元での撮影、逆光での撮影、日が暮れたあとの残照での撮影となりました。

※:ここから下の写真はクリックをすると拡大します。
全てのホワイトバランスの設定はAWB、モードの設定はAVで撮影しました。

登山の途中でみた渓流です。薄暗いなかで水の流れがしっかりと捉えられています。
ISO1600、シャッタースピード1/30、Fナンバーf/8、レンズ焦点18.00mm。
IMGP0801
 

霧の中の色づいた樹木。霧を通して赤と黄色の葉の色が伝わってきます。
ISO3200、シャッタースピード1/50、Fナンバーf/18、レンズ焦点18.00mm。
IMGP0845
 

笹の中に疎らに樹木が立っています。雲の厚みが薄くなり日射しは差していませんがかなり明るい条件下での撮影です。深度が深いので手前の樹木から置くの樹木までしっかりと撮されています。
ISO200、シャッタースピード1/50、Fナンバーf/18、レンズ焦点18.00mm。
IMGP0874
 

庚申山から見た皇海山。頂には雲がかかっていますが、手前の稜線には日射しが差しています。雲の白、稜線の紅葉、皇海山の黒々とした山容と色彩と明るさの違う被写体ですが見事なくらいに再現しています。
ISO200、シャッタースピード1/60、Fナンバーf/18、レンズ焦点18.00mm。
IMGP0887
 

木漏れ日の差し込んでいる樹林帯の小径。日射しの当たっている部分は明るく、日射しの反対側は濃い影を作っています。コントラストのはっきりしている試写対ですが、影の部分が黒飛びせずに撮されています。日射しの当たっている部分も白飛びしていません。
ISO1600、シャッタースピード1/50、Fナンバーf/18、レンズ焦点18.00mm。
IMGP0912
 

晴れて日射しのもとに姿を現した皇海山。堂々とした山容は日本百名山の名に恥じないものです。霞がかっているのが残念ですが、皇海山の樹木の一木一木までしっかりと捉えています。
ISO200、シャッタースピード1/80、Fナンバーf/13、レンズ焦点18.00mm。
IMGP1000
 

蒼天に伸びる枯れた樹木。白い木の肌が青空を借景にして印象深く感じたので撮した一枚です。
ISO200、シャッタースピード1/250、Fナンバーf/13、レンズ焦点18.00mm。
IMGP1028
 

皇海山から庚申山の稜線の北がわの深い谷越しに日光連山を遠望した一枚です。奥に黒々と男体山や日光白根山が見えます。日光連山を囲むように白い雲がかかっているのが景観にさらなる変化を与えてくれています。
ISO200、シャッタースピード1/200、Fナンバーf/13、レンズ焦点20.00mm。
IMGP1086
 

蒼天と岩山。鎖場といってこの岩を鎖を頼りによじ登る場所です。岩場と青空のコントラストが驚くほどはっきりと出ました。実際にはこれほど青は深みは有りません。実際の記憶よりも青が濃く写ってしまっているのは記憶色と言って、空の青い色をカメラが強調しているからです。
ISO200、シャッタースピード1/200、Fナンバーf/13、レンズ焦点18.00mm。
IMGP1100
 

逆光の皇海山。日が傾き皇海山が西の方角に移ってきました。山全体が影となり逆光の淡い光と良く合って幻想的な雰囲気を捉えています。
ISO200、シャッタースピード1/200、Fナンバーf/11、レンズ焦点21.20mm。
IMGP1127
 

夕暮れの樹林帯の巨石と梯子。陽は山に遮られています。完全な日陰でその上に樹林に頭上を覆われているのでそうとう薄暗かったのですが、実際の見た記憶よりも明るく写っています。日中に撮影をしたようにさえおもえます。これなどはISO6400という高感度を生かし切った1枚と言えるかもしれません。
ISO3200、シャッタースピード1/50、Fナンバーf/6.30、レンズ焦点18.00mm。
IMGP1164
 

庚申山荘がかつてあったところに立っている鳥居です。江戸時代に庚申山信仰が盛んだった頃はこの道が表参道だったのかもしれません。ここまで降りてくるとそろそろヘッドライトを付けなければ足下が見えにくくなるほど暗くなっていたのですが、写真はその暗さを感じさせません。動きのある被写体は無理ですが、静的な被写体なら相当くらい条件下でも見事に写真として捉えてくれます。
ISO6400、シャッタースピード1/15、Fナンバーf/5.60、レンズ焦点20.00mm。
IMGP1173
 

山岳写真を撮った後でのK-xの感想

長所として

  1. 違和感のないシャッター音と押す感覚。シャッター音は機種独特のものなので、音が気に入らないとカメラも使う気にならなくなりますがK-xは安っぽくない音で満足しました。シャッターを押す力加減と押す深さも過不足なく十分でした。この2つはカメラを使う上で最も使用頻度の高いものなので、満足出来るかどうかはとても重要です。
  2. ISO6400という高感度のおかげで暗い樹林帯や雲の下でも驚くほど鮮明な写真が撮れました。
  3. 小さくコンパクトなので、1gでも軽くしたい登山には体力の消耗を少なくしてくれます。
  4. グリップの握り具合が手にピタリとしていて、しっかり握っていれば落とす心配が有りません。以外にエントリーモデルはデザインを重視して握っても指とボディーの間に隙間が出来て落とす心配のある機種があるのですが、K-xはその点、完璧に近いグリップ感がありました。
  5. 撮影時の姿勢保持がやりやすいボディ構成となっています。わたしの撮影時の姿勢はカメラのファインダーを額に当て、両脇を締め、足は左右を開き多少前後になるようにずらします。この姿勢で重要なのがファインダーが額に当たるかどうかです。三点姿勢といって、3つの点で支えると安定するのですが、両手と額の3点でカメラと人間が固定されることで、手振れが起こることを抑えられます。K-xはファインダーがやや付きだしているので、グリップの握りやすさと共にこの姿勢が取りやすくなっています。
  6. 操作が液晶画面を使用するのではなく、各種の独立したボタンで行い、設定を液晶画面で確認出来るので、各種の設定がボタンを押すだけで出来ます。最近に発売されるエントリーモデル(入門機種)のデジイチが液晶パネルを操作して、各種の設定を変えるには深い位置まで入り込まなければならないのに比べると、独立したボタンで操作ができるというのは素晴らしいことです。特にペンタックスのOptioシリーズなどとアイコンボタンなどは共通なので、ペンタックスのコンパクトデジタルカメラを使用していれば、K-xは購入したその日からバリバリ使いこなせると思います。(わたし自身がOptio W20ユーザーですので、モニターとして貸与を受けたその日から違和感なく使っています)

短所として

  1. ファインダー越しにピントを合わせると、ピントがあったことを知らせる音はするのですが、どこにピントが合っているのかを教えるマーカーが点滅しないので、思ったところにピントが合っていないのに写真を撮っている事がしばしばありました。これは花などをズームで撮影をした時に顕著に表れました。
  2. 水平に写真を撮りにくい。ファインダー越しに被写体を見ると、中に黒い線が書かれていて水平をそれではかるのですが、被写体が黒っぽい色、あるいはコントラストの濃い色の場合、黒が被写体にとけ込んでしまい線が見えなくなります。ピントが合った時にでも色が変わる機能を付けてくれれば、シャッターを押す前に水平を修正出来るのですが、そうした機能は付いていません。
  3. キットレンズ(付属してくるレンズ)の性能がカメラに追いついていないようです。AF(オートフォーカス)の焦点が合わさる時間が長く(約1秒)、またAFが焦点を合わせる間に動くモーターの音が煩く耳障りでした。雑踏の中でのスナップショットと違い、人の気配のない深山では機械的な音がすると、それだけで雰囲気を壊されてしまいます。K-xはボディー単体の販売はないので、もし購入すれば、高性能のレンズを買わなければならないでしょう。
  4. 電源の入っていることを知らせるLEDが濃く明るい青色であること。わたしは視覚的に過敏な体質で、特に青色LEDは見ただけで目が痛くなります。この色をオレンジ色や緑色などに変えてくれれば良いと思います。

以上、思いつくままに登山後のPENTAX K-xの感想を書いてみました。

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このブログ記事について

このページは、mizunumaが2009年10月 5日 18:50に書いたブログ記事です。

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